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街の木は負債?
緑を増やそう! 大きな木が大好き!
しかしいま、私たちの街では、 木を植えれば植えるほどいいことがある、
木が育てば育つほど豊かになれる、 そんな状況があるでしょうか?
ほかならぬ、木の持ち主にとって。
ちょっとしたお庭であっても、木があれば手入れを怠ることができません。
毎年剪定が必要なことはもちろん、落ち葉は隣の家にも落ちますし、
雨樋を詰まらせたり、害虫が発生したり、
木の持ち主は多かれ少なかれ、木を維持するコストを負担しています。
木は増やせば増やすほど、大きくなればなるほど、
持ち主が負担しなければならないコストは増えるのです。
たくさんの街の木を見てきましたが、その多くはなんらかの傷みを抱えていて、
大きな幹がいつ折れてもおかしくないという木が多くありました。
痛みがはじまるきっかけは多くの場合強剪定ですが、
大きくなりすぎた街の木では避けがたいことでもあります。
木は痛むと、折れたり倒れたりします。
私たちが暮らす街には、危険な木が増えています。
また、たくさんの木を所有していると、
いざ伐採するとなったとき、反対運動が起こることもしばしばです。
こうした場合の木の持ち主は、多くの場合自治体であったり
広い敷地を所有する企業であることがほとんどですが、
反対運動に晒された彼らはなにを思うでしょう。
またたくさんの木を植えよう、大きくしよう、と思うでしょうか?
私たちの街では、現状、 木はあまり大きくせず、
たくさん植えない方が合理的なことなのです。
リスクや面倒なことを負いたくない、出て行くお金を減らしたい。
それは緑を増やしたいという思いと同じくらい、自然で合理的な感情に違いないのです。
私たちの誰しもが、公園の木や街路樹のオーナーです。
木のオーナーが、 木を植えれば植えるほど良いことがあった、
木を大きく育てた甲斐があった、また植えよう! と、
そう思える街の仕組みが求められているのです。
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